2018年05月

 
 
振袖用の白生地を裁って仮絵羽仕立ての準備をしました。
東京手描き友禅の誂え染めでは、まず白生地をサイズに合わせて裁ち切り、仮の仕立てをしてから下絵を描くのです。


今回使うのはこちらの生地。
欄や菊のおめでたい地紋です。



反物をまず巻きを解いて長さを確認し、難がないか見ておきます。
巻棒から解くと大きな絹の山に。


真っ白の輝く美しさで、毎度のことながら「私なんかが手を加えていいのかしら」と思ってしまいます。変身の甲斐ある仕上げにしますからね、と言いながら採寸


印打ち。
裁ち切っていきます。勇気がいります。


途中何度も長さを確かめつつ、切り終わったら着物の形に並べて最終確認。
仮絵羽仕立てへ進みます。


6/14追記  
仮絵羽仕立てが出来上がって戻ってきました。地紋がきれいです!


  花嫁衣裳のようですね(*^^)

東京手描友禅の道具・作業 | 04:07 PM | comments (x) | trackback (x)
五月連休に岐阜県を経て富山、福井の境あたり白山信仰の地をドライブしました。
目的地は福井県勝山市にある平泉寺白山神社
古来この神社が白山へ修行登山する入口にもなっているそうです。



 1000年の歴史を持つ天台宗寺院である平泉寺(へいせんじ)
白山信仰に基づく白山神社があるお山で、今は神社として残っています。



きわめて古い神社としては鹿島神宮を訪ねたことがありますが、鹿島に劣らず古いことは巨木が並ぶ様子や擦り減り苔むした参道から窺えました。

室町時代には数千の僧兵を擁する石垣作りの大要塞だったそうです。
一向一揆の攻撃を受けて全山焼失、その後、再興に向かいますが、明治の廃仏毀釈で廃寺となり仏教関連の建築はみな破壊されたそうです。今残るのは境内各所の石垣と江戸期に再建された白山神社本殿などわずかなお宮さんだけ。


でも室町期の本殿がいかに大きかったか、木々の根元をつらぬく礎石が示しています。
素人にもハッキリわかりました。


僧坊が立ち並んでいた場所も石垣と石畳だけが残っていて当時のままだそうです。
中世へタイムスリップ感がありました。



この流れも僧坊跡一帯の流れ。石垣の下の側溝です。


スギナなど春の野草に覆われていますが、しっかりした石造りの溝に豊かな水が流れていました。

雪深い土地で春が一気に来るから?
名残りの椿がまだ咲いているのに、葉に新芽が吹いているなんて初めて見ました。


名古屋を出て白山を目指し九頭竜ダムにそって岐阜県を北上したのですが、どんどん気温が下がり季節を遡っている感じがしました。
菜の花と八重桜と藤の花を同時に見ましたよ!


 九頭竜ダム湖と菜の花


 新緑の淡い緑から常緑樹の濃い緑まで、
まるで緑色の色見本のようでした。

は地勢にあっているのか本当に多かったです。山といわず藪といわず。

        あちこちで咲いていた八重桜。

一番印象的だったのはダム本体の上の桜。背景遠くに白山山頂がのぞいています。


二日間のドライブ中驚いたのは九頭竜、白山一帯の水がきれいなこと。


こちらは勝山市内で泊まった宿のそばの流れ。澄み切った急流。


帰路、郡上市内の長良川で、盛大な鯉のぼり。五月五日当日でした。

名古屋方面へ戻る途中、水で有名な郡上八幡に寄ってみました。


 水が澄み切っているって、こんなに豊かな風景を作るものなのですね。
利根川水系が東京湾に注ぐあたり(川は灰色)で暮らしているぼかし屋雑感。


季節の便り | 08:37 PM | comments (x) | trackback (x)
 

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