薔薇の総柄、染帯の引き染め

 
薔薇の総柄、染帯の引き染め
下絵や糸目糊置きを紹介してきたバラの総柄の染め帯の工程の続きを。
地色の引き染めです。




地色(模様ではない生地全体の色のこと)を染めるのに、部屋の柱と柱の間に生地をピンと張って(引っ張って)刷毛で染料を染め付けるので「引き染め」と呼びます。
ご参考までに、
地色の染め方には他に煮染め(にぞめ)があります。染料がグラグラに煮立っている大鍋に生地を入れて染めます。藍染のように常温の染料にじっくり浸して色をつける方法は浸染(しんせん)です。
さて引き染めのために生地をピンと張る道具は「張り手」 張り手で生地を挟み込み麻縄で引いてピンとさせます。


帯地の端の部分。
帯地の染め始めの部分を白のまま残るところと、色染めしたところの境目。


この境目がきっちり綺麗にまっすぐでないと誂え帯(創作一点物)の価値がなくなると師匠に教えられたものです。量産品ではこのような一本ずつ織り上げた生地は使わないからです。この色、この模様だけのための生地ですよ、という意味になります。


ピンク色の染料の入ったバケツと刷毛、霧吹きなど。
ぼかし屋は必ずぼかし染めしますので、色ぼかしのために生地をこする刷毛も必要です。刷毛は2本、そして刷毛の余分な水分を吸い取らせるために新聞も必須です。


予定通りふわ~んとした雰囲気で染め上がったと思います。
この後は模様の色挿しに進みます。

ぼかし屋の染め風景 | 11:34 PM | comments (x) | trackback (x)

ページのトップへ