ぼかし屋の染め風景

 
オリンピック関連プロジェクト、イマジンワンワールドに参加して制作したモナコ公国をテーマとした振袖の染めの様子を工程ごとに少しずつ紹介していきたいと思います。
追加でご注文いただいた時の記録を主にご紹介しますが、初回制作版の写真も利用させていただきます。

最初は何といっても生地の準備。


生地問屋さんの揃えてもらった同練りの三丈物二反
同練(どうねり)とは同時に作った糸で織った、という意味です。
生地の模様が同じでも、練りが違うと同じ染料を使っても同じには発色しないからです。


本紋と呼ばれる振袖用の地紋で、沙綾形文に菊や蘭が織り出されています。

まず巻を解き、全体の長さを確認します。


白い絹が山のように重なります。本当に美しく、いつも「これに色を付けてしまっていいのかな」と思ってしまいます。白い雪の上を歩いてはいけないような感じです。


尺差しで計って印を打ちます。
まっすぐ計って、まっすぐ裁ち切らなくてはなりません。
この時、活用するのが「畳の縁」


ヘリと畳面のわずかな段差を利用して生地をまっすぐに固定して計るとずれません。
裁ち間違いしないよう何度も何度も計り直しながら鋏でザックリいくわけです(^^;)


衽と衿の間の長い所も延々とまっすぐ切ります。

裁ち切りが済んだら、仕立て屋さんにお願いして仮絵羽仕立てしていただきます。
振袖の形にしてから、生地に下絵を描くためです。

着物が出来上がった時に、縫い目の越えてつながっている模様を絵羽(えば)模様といいます。
例えば豪華な牡丹の花が縫い目でブツッと途切れていたら残念です。
絵羽模様で広々と牡丹の模様がつながっていると立派ですよね!
絵羽模様にするための下準備の仕立てを仮絵羽仕立てと呼ぶわけです。

仕立て屋さんから仮絵羽仕立てとなって戻って来たところ。


出来上がりサイズに合わせて綺麗に着物の形になりました。
さて!ここに図案を描くわけです。
縫い目を越えて模様がつながるように。

その図案については次回に…



ぼかし屋の染め風景 | 04:43 PM | comments (x) | trackback (x)
本日は下絵描き風景を紹介します。



誂え染めの手描き友禅では、まず白い絹地を裁って、白い着物の仮縫い状態にします。仮絵羽(かりえば)仕立てと呼びます。
模様が縫い目を境に途切れたりしないように、連続させて一枚の絵のように染め上げるためです。絵羽模様といいます。

複雑な模様では実物大で染め上がりと同じ下絵を紙に描き、それを生地に写しとります。



机の手前の台に乗っている部分は着物の上半身。絹が大漁、大量(‘◇’)

友禅の作業机は中央に四角い穴を開けてあります。


染める時はそこに熱源を置き、下絵描きの時は電灯を置いてガラスで塞ぎ、ガラスの上に下絵を、さらに生地をおけば、下から明るく照らされて模様を写しとりやすいのです。
以前は小さな電灯というと白熱灯しかなくて、夏などは暑い思いをしたものですが、今はLEDなど熱くならない電灯が色々あって助かります。

仮絵羽仕立てしてあると肩口など平に伸ばせない箇所があります。描きたい所を小さく延ばし文鎮でしっかり押さえて作業します。


遠目には刺繍枠をはめてあるように見えます。〇でなく□ですが。
もちろん刺繍枠ではなく文鎮で押さえているのです。

生地は2重3重になっていますから、半端な文鎮では押さえが効きません。
しっかり重く、かつ絹地のためには当りの優しい文鎮が貴重なのです。

これまでに知る限り、文鎮の最高峰富山県高岡市の金胎漆のもの。


金属に漆をかけてあるのでズッシリ重く、表面は柔らかく生地を傷める心配がありません。
漆に螺鈿細工が施されて綺麗で、文鎮の方も傷つけないように作業中は丁寧な動作を求められます(^-^;

 文鎮については2017年11/21の当ブログで詳しく紹介しています。

ぼかし屋の染め風景 | 06:57 PM | comments (x) | trackback (x)

大きな大きなバラの帯をお試し中です。



糸目糊を通常より太く引いてみています。
太く勢いのある糸目糊を大きくな花に合わせてみるつもりです。


下絵の上に糊を置いた所と、まだ下絵だけの所と。色が違います。


ゴム糸目の場合は伸子に張らずに生地を机に置いたまま引く方も大勢いらっしゃいますが、私はもともと真糊の出なので、真糊の引き方のままゴム糸目も伸子に張って引いております
生地の向きを変えやすく、糸目に強弱をつけやすいので。


ぼかし屋の染め風景 | 10:41 PM | comments (x) | trackback (x)
 先だっての「しゃれ帯展」に出品した無線友禅の帯の染め風景を写しました。

 「無線」とは文字通り「線が無い」友禅染のこと。
これに対するのが糸目友禅。下絵を糸目糊でなぞってから色挿しするので、糊の跡が白い糸目状の線となって模様に残るからです。
通常友禅と言えば糸目友禅を指しますが、糸目糊を使わずに水彩画のように描く技法を「無線友禅」と呼ぶのです。糸目状の線が無い仕上がりになるからです。

 今回はまず染色用の墨色で下絵を描き、さらに色を染める更紗模様風の染めにしました。
墨下絵の次に地染めをします。
 ローズグレーの濃淡2色でぼかすので、先に濃い部分を染め、後から染料を重ねて染めます。

 
 下絵とは別に、ぼかしの目印となる線が新花(水で消える染色作業用の青色)で描いてあります。この目印に沿って刷毛で染料をぼかしていきます。



 一部を赤でぼかしコントラストを楽しむ色合いにしました。
 


 地染めの次に色挿し。


 伸子で張ってありますが、前後に白い布を被せてあるのは汚れや擦れを防ぐためです。


 墨の線からはみ出さないようにバラの色を挿していきます。
 (もっと更紗風にわざとはみ出させる方法もあります)

 仕上がり


 実際に締めるとローズグレーの濃淡が目立つ配分になっています。
お太鼓のタレ先はグレーで、お太鼓の下の部分の赤と対比、するとおしゃれだな、と。
お太鼓の中をくぐる手先は濃いグレーになります。

ぼかし屋の染め風景 | 02:59 PM | comments (x) | trackback (x)
思い切りよく暑い日が続きます。( ;∀;)
ありがたい事に友禅染は家の中で行う作業です。 

ただ生地全体を染める地染め(じぞめ)は、染めの種類や作業所によっては外で行われるようですが、友禅の場合は手描き物でも型友禅でも、直射日光は禁物なので屋内で作業します。

ぼかし屋は手描き友禅なので、自宅の一部を利用して屋内作業で地染めしています。
冷房の使用は…… 場合によりけり、です。
ぼかし染めに時間がかかる場合、冷房の風あたりのよい一部だけが早く乾いてしまいます。すると綺麗にぼかせなくなるので暑くても我慢。
一気に染めてよい場合は、今日のような炎暑の日は冷房を掛けております。助かります。

手描き友禅の場合、模様に色を塗る色挿し(いろさし)で使う電熱器の方が夏は辛いものがあります。
部屋に冷房をかけても手元に熱源があれば暑い~のです。
冷房温度をあまり下げると、皿の中の染料がどんどん乾燥して濃度が高く(色が濃く)なってしまうし~、というわけです。

さて本日の紹介は地染めしながら写した写真です。


青色系の刷毛を用意します。
大きい刷毛は幅が五寸、小さい方は三寸。ぼかし幅などで使い分けます。


少なくとも1時間前には刷毛をたっぷりの水に浸して、木の部分に水を吸わせます。すると木が膨らみ刷毛の毛をがっちり押さえ込んでくれるのです。毛がピンとしてきれいな染めが出来ます。


希望の色になっているかどうか、試し布で染料の色を最終確認します。


染料を入れたバケツと刷毛。このバケツは五寸刷毛が縁に置けるようになっていて便利。愛用のバケツです。



張り手で生地を柱の間にピンと張り、染め作業をします。これを引き染めといいます。
煮染め(染料をいれた窯で生地を煮る。絞り染めでよく行われる)、浸し染め(染料の入った壺などに生地を浸して染める、たとえば藍染)と違い「生地を引っ張っておいて刷毛で塗る」染め方を指します。


濃淡三色のぼかし染めです。引き染めの長所は刷毛でぼかしの線を好きなようにカーブさせられることです。




ぼかし屋の染め風景 | 11:27 PM | comments (x) | trackback (x)
 ぼかしの引き染め夏の薄いスカーフ染めをしました。
 着物地より薄い生地でも、張り手は着物と同じ。
麻縄でギュッと横に引き長く張って染めるのも同じですが、使う伸子針(しんしばり)が違います。


 張り手のすぐ下に写っているのが、着物用の伸子針
その下に移っている少し短く細い伸子針が、弱かったり幅が狭かったりする生地用の伸子。スカーフにはこちらを使いました。


 伸子の使い方は着物を染める時と同じ。


 生地が乾くに従い透明感が増し、下に置かれた染料バケツが透けて見えます。


 今回使用した刷毛。三寸刷毛と丸刷毛、筆です。


 染め上がりを作業用のフロアスタンドに掛けたところ。透き通って涼し気。
 ピンクや緑、黄色など多色のぼかし染めは、普通の生地ではかなり派手になってしまいますが、このように透けていると、発色が抑えられるので上品な面白さがでると思います。

 伸子針(しんしばり)には実は様々な長さがあります。
いずれ紹介していきたいと思います。

ぼかし屋の染め風景 | 10:10 PM | comments (x) | trackback (x)
 昨週末2/24~26、西武新宿線中井駅界隈で
「染の小道」という地域起こしイベントがありました。
 落合、中井、高田馬場を流れる神田川の水はかつて新宿区の染色産業に利用されていました。東京手描友禅だけでなく各種型染、小紋や更紗の工房、工場、関連する商店がたくさんあったのです。かなり減ったものの今でも友禅に関わるとこの界隈にご縁が出来ます。
 「染の小道」は年に一度かつての雰囲気を再現して新宿の染色産業を知ってもらおうというイベントです。
 協賛する商店の軒先を、染色に関わる人たちが染めた暖簾が彩ります。
ぼかし屋も初めて参加。
ミシンのお店「ステッチ工房」さんの店舗を飾らせていただきました。





 ステッチ工房さんはパッチワークやキルティングを楽しむミシンを扱っていて、お店の中には絵画かと思うような繊細なお仕事ぶりの作品がたくさん飾られています。
 イベント当日、ステッチ工房さんでは「ワンコイン ミシン体験」を実施。500円で可愛いポーチが縫えます。小学生の女の子と同じテーブルでこちらも体験しました。間違いなく縫えるように準備されていて、短時間でポーチをゲット。ほくほく(^^)/
 お近くの方、来年いかがでしょうか。

    ステッチ工房
   〒161-0034東京都新宿区上落合3-3-2
          ℡&Fax 03-5925-2344
    

 暖簾制作にあたっては、着物ではなかなか染める機会のない華やかな色でぼかしの染め分けをしたいと考えました。
選んだ配色は「春」桜色、若草色、菜の花色の三色です。

 まず引き染め


 染め分けに似合うように桜を濃淡で描きました。

 左右の面にバランスよく桜に咲くように配分しながら手描きしていきました。

 最後に顔料で花芯(かおりと呼んでいます)を描きます。


 出来上がり。着物ではないので絹糸で自分で縫ってみました。

 サッサと縫えば小一時間、のつもりが…○時間もかかってショックでした。
いつもなじみの仮絵羽仕立ては縫い目1㎝でよいものですから…(^^;)


ぼかし屋の染め風景 | 12:43 PM | comments (x) | trackback (x)
今回の染芸展出品作の染め風景(一部)をご紹介します。
あじさい模様の訪問着です。



  色の準備

  花の部分から先に色挿し

  糸目糊がよく見える写真になりました。




  葉の部分の色のラインナップ。
微妙な色の違いを組み合わせて濃淡ぼかしを多用します。





総絵羽(裾模様、上半身、袖すべて縫い目を越えて模様が連続すること)なので、作業の途中で模様と色のつながりを確認しながら色挿ししていきます。


  色差し終了。並べて全体の色合いの確認。
色挿しは時間がかかります。そのため途中で乾燥によって染料の濃度が上がると、色が思いがけず濃くなってしまいます。調整のため染料に水を足しながら色挿しするのですが、それはそれで!「水が多すぎて色は薄くなる」危険と背中合わせ。
濃いも薄いもツドツド確認、最後にまた確認。色合いに違いが出た場合は、この段階で調整します。



 濃い部分から順に地染め


今回は五寸刷毛以外に小さい丸刷毛も利用してを思わせるぼかし表現にしました。


 染め作業が終了した直後
色全体を確認してから、次の工程へ。
蒸し、糸目落とし、水洗い(水もと)、湯のしへ進みます。
ぼかし屋では京都の丸京染色さんへ依頼しています。


 ぼかし屋がボ~っと思いますに…
この状態の手描友禅の生地は、フノリを掛けられ、伸子や引手で引っ張られ、蒸気を浴びせられ、染料をかぶって、もうゴワゴワです。
それが丸京さんから帰ってきた生地は、真っすぐ、フワフワで光沢を放つ絹に戻っているのです。
絹…すごい材料です。


2/8追記
丸京さんから湯のしまで終えて帰ってきた生地を衣桁にかけて、染め上がりの最終チェックをしています。


染めムラがないか、※絵羽の部分の色が合っているか、などなど。

色もよく合い、ズレもないようです。(^^)/


 丸京さんの洗いで糸目糊が落ちているのがご覧になれると思います。


糊がとれると友禅模様の糸目が白く浮き上がり、サッパリと明るくなります。
染色作業の嵐をくぐった絹は、最初の白生地の時と同じように柔らかい光沢のある生地に戻りました。

 生地を剥ぎ合せて反物状にして染色作業してきましたが、このチェックが済むと解いて(衿と衽を離して)※上げ絵羽仕立てに進みます。

※絵羽
縫い目を越えて模様がつながっていること。
裾模様はもちろん衿、胸、袖の模様もつながっている柄行きは、振袖や訪問着などに多く見られます。
絵羽については、下記に詳しく載せています。

当ブログのカテゴリー「東京手描友禅 模様のお話」
https://www.bokashiya.com/blog/c7-.html
2014/4/9「東京手描友禅-模様の参考に。絵羽模様」

※上げ絵羽仕立て
展示用の仕立て方のこと。本当に着用するのではなく、柄の位置や出来上がりを見る、見せるためのものです。衿肩開きを切らずに衿付けをします。
 よく似た言葉に「仮絵羽仕立て」があります。
染める前の真っ白の生地をサイズに合わせて裁ち切り、着物の形に仮仕立てすること。
そこに下絵を描いてから解き、反物の状態に戻してから染色作業します。
友禅の「誂え染め」には欠かせない工程です。


ぼかし屋の染め風景 | 06:01 PM | comments (x) | trackback (x)
 前回に続き、創作一点物の友禅染作業風景をご紹介します。今回は「色挿し」。


         色挿しの途中(糸目糊が見えます)

 「色挿し」は、下絵の上に糸目糊を置いた模様部分に色付けする工程です。「模様挿し」ともいいます。「友禅する」という動詞を使うこともあれば、「友禅挿し」と呼ぶこともあり、そこから分かるように長い工程の中でも「色挿し」は一番友禅染らしい作業です。
何色も染料を作って筆や片歯刷毛で挿していくので、なかなか華やぎもあります。



 でもちょっと大変なことも。
 水と染料(粉末)を煮て液状の染料を必要な色数作り、皿にいれて使います。



 染料は時間経過とともにどうしても乾燥していきます。つまり色が濃くなってしまうのです。濃淡を保つために水分を調節しながら作業を続け、なるべく一段落つくまで一気に済むように、色挿しを始めたら、長時間やりっぱなし状態になる事がたびたび。

 NHKにラジオ深夜便という徹夜の番組があります。深夜から未明に作業が続く時のお友達です。作業を中断しても色が変わる心配のない刺繍の職人さんが羨ましかったりします。もちろん刺繍には刺繍の大変さがあるに違いないのですが。



 見頃部分はとても長いので、生地を傷めないように
折りたたんだりせず、ゆったりさせて作業します。


 模様が絵羽※1になっているので、縫い目を境に色を間違えないように確認しながら色挿ししていきます。


 上前の胸と袖のつながり。
これは色挿しが終わったところ。ふんわりした菊にするために、糸目糊のない無線描きも併用して、個性的な菊と鳳凰の表現です。



左上→ 色挿しが済むと模様伸子から生地をはずして柄行き通りに並べ
      模様のつながり具合や色目が合っているかどうかと点検します。
      まだ生地に端切れが縫い付けられています。
下2枚→ いよいよ色付けの作業は終わりと確認出来たら、
      次の工程へ進む準備をします。
      当て布や端切れを解いているところ。染めた直後の生地は
      シワシワでこぼこしているのがよく写っています。
      解いた綿糸が地色と同じ色に染まって綺麗なかたまりになっています。
右上→ 剥ぎ合せミシンで見頃や袖などを縫い合せて、長~い一本の反物に戻しています。

 ちょっと生地の端をご覧ください!
波打ったように変形しています。これは伸子針や模様伸子※2で絹地を張って友禅の作業をした結果です。蒸気や水をくぐり、張り手や伸子に引っ張られて、いかにも嵐をくぐった感じが生地に出ていますね。
 この後、「蒸し」や「水もと」作業、いわゆる「友禅流し」で糊や余分な染料を落とし、乾かしてから「湯のし」という工程を踏むことで、この変形がなくなり、生地が真っすぐ平らになり、機屋さんが織りあげた時と同じ光沢を取り戻すのです。

※1 2014,04,09のブログに説明があります。
※2 2015,08,30のブログに説明があります。
ぼかし屋の染め風景 | 09:52 PM | comments (x) | trackback (x)
ぼかし屋の創作一点物の染色作業から、最近の染め風景を写しました。

訪問着の制作で生地は三丈物


「縦よろけ」と呼ばれる地紋。




全体に立体感がある地紋で、落ち着いた光沢があります。
反物として横に見るより、肩に掛けて縦に見る方が華やかな生地です。

誂え染めでは、絵羽模様で下絵を描くため、最初に生地を裁ちます。
採寸して裁ち切るのですが、当りをつけてから複数回確認して…
裁ち鋏でザックリ切るときはドキドキします。
襟と衽(おくみ)の部分は縦に長~く切り分けるので、曲がらないように採寸を頼りに生地目にそって切り続けます。
裁ち切っている途中も写しておけばよかった!(^^;)
またの機会に…。

下絵を描きます。
今回は無線と糸目の友禅を併用して菊と鳳凰を染めます。


染めの話ではありませんが、二十年来の付き合い、愛用の文鎮が写っています。
縁の下の力持ちの一つ、文鎮についてもいずれご紹介したいと思っています。



絵羽模様ですから、縫い目を越えて模様が連続するように描いていきます。
生地に描きながらもカーブの角度や位置を調整します。

長いカーブは、地色をぼかし染めする時の位置です。
これが狂うを、仕立て上がりで地色の濃さが縫い目を境に合わなくなってしまうので、とても大切です。裏からも印をつけておきます。この作業を「ぼかし当り」と呼びます。地味で案外時間のかかる作業です。

鳳凰の訪問着ですが、気張らない楽しい、ふんわりした感じを目指しています。
ぼかし屋の染め風景 | 01:45 PM | comments (x) | trackback (x)

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