「アール・デコとモード」展を見て

 
「アール・デコとモード」展を見て
 三菱一号館美術館で開かれていた服飾史の展覧会「アール・デコとモード」展を見てきました。このブログは着物(着る物)とその周辺がテーマなので展示の感想をお伝えしたいと思います。とても面白かったので(^_-)-☆



1920年代を中心に流行した服飾や建築などの様式アール・デコは直線的ですっきりしたデザインが特徴です。それ以前のイメージ、コルセットで締め上げスカートが円錐形に広がった刺繍やレースでボリュームあるドレスの女性が猫足家具の前にいる、を一機に変えたのがアール・デコ様式です。
解説によれば、概ね1918年から19年にかけて第一次世界大戦が終了する前と後でモード、服飾は大きく変わったのだそうです。
まずアール・デコ以前のドレスはこちら。
(撮影可の展示が多くてありがたいことでした)


立派な下着で驚きました。コルセットでウエストはギンギンに締め上げられています。


右手前は上に着たドレス。奥が下着。両方着るのですから身動きは楽ではなかったことでしょう。


ドレスの刺繍とレースの豪華なこと!
この雰囲気はどこかで見た記憶がありませんか。そうそう映画「タイタニック」です。
タイタニック号の沈没は1912年(年表で調べました!)映画前半で豪華な一等船内で上流階級の女性たちが着飾っていたドレスがまさにこの感じでしたね。
そこから二年後の1914年に第一次世界大戦が始まり、終戦処理も終わった1920年代に入って花開いたのがアール・デコという流れのようですよ。



黒と銀のドレス。スカート前部の流れはアコーディオンプリーツのような感じで薄くて固い直線が印象的でした。
一次大戦後のこの頃は繊細なガラス工芸や金属加工のの技術が発達しビーズやスパンコール、金属糸が普及し高級服飾を彩るようになったそうです。


当時のファッション画。この雰囲気にも覚えが。人気のイギリスのドラマ「ダウントンアビー」に登場する3人のお嬢さん方のファッションです。そうそうドラマの始まりがタイタニック沈没の一報でした。ドラマの主な舞台はまさしくアール・デコの時代。


1928年のイブニングドレス。
会場にはこのドレスを着ているかを思うような女性の肖像も展示されていました。


キスリング作の女性像(1927年)

この時代のデザイナーの代表格はシャネルで、シャネルは女性をコルセットから解放したとよく言われるのですが、解説によれば同時代に幾人ものデザイナーや裁縫師たちがコルセットで締め上げない服を作り始めていたそうです。その中でビジネスとして一番成功したのがシャネルで、一番長期にわたって創作を続けたこともあり、脱コルセットを代表する名前になったのでしょう、おそらく。


こういうドレスであれば当然下着のそれに合わせて進化。
シュミーズ、キャミソールといった現代にも通じる形が生まれたそうです。


会場で一番見とれたドレスがこちら。
金色の刺繍とアップリケや編み込みで飾ったドレス。ダウントンアビーの主人公が着ていそうな感じではありませんか!


最後のこちらを。


スタイリッシュなイブニングドレス。現代でも通用すると思ったらこちらはスポーツウエア、水着とのこと。
良く見ればパンタロンスーツになっていて胸を覆い隠した形で水切れも良さそう。女性が水遊びできる時代がやってきたという事ですね。

このアール・デコの1920年代が過ぎ1930年代に入ると世界にはまた戦争の影がさしてきて、1931年満州事変、1933年には日本が国連を脱退。戦争一色の1940年代へと移っていくわけです。アール・デコは二つの大戦の間の一時の華やぎだったのですね。
久しぶりに世界年表で年代を確認しながらしみじみと今の世相にため息が出ことでした。

本当はイケナイのですが、遠慮がちにダウントンアビーの画像を載せてしまいました。
主人公のドレス姿があまりにも完璧なので。


祖母と向かい合って内緒の話をしている場面です。
撮影用の衣装ですが、時代考証して主人公の人間像に合わせてアールデコの時代であればこういうドレスをまとったことだろうとデザインされたのですね。


幅広の黒い肩紐が、そのまま後ろへ流れてドレスと共に引きずる長さになっています。


祖母は年齢から装飾は保守的。肌を出さないデザインですが、シルエットから大きなペチコートは付けていない様子です。
お顔を大写しさせていただいたのは、私がこの女優さん、マギー・スミスさんのファンだから!他でも見たことがあると思いませんか。そう、ハリーポッターに登場する魔法学校のマクゴナガル先生です。黒いとんがり帽とマントが素敵で存在感があり、登場すると「事がよい方向に進みそうな雰囲気」がある方でした。残念ながらもう亡くなりましたが最後まで「おばあ様」としてご活躍でした。
画像拝借ありがとうございました。
ベルばらのような円錐形ドレスから現代の服装に至る大切な過程としてとても勉強になりました。

展覧会ルポ | 05:51 PM | comments (x) | trackback (x)

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